
6月21日(日)、コムズ(松山市男女共同参画推進センター)5階大会議室にて、第16回定期総会・記念講演会が行われました。約90人の参加がありました。
開会の挨拶をする須藤昭男事務局長

開会にあたって、須藤昭男事務局長は、
「故郷・福島の悲惨な原発事故から15年が過ぎました。未だにに故郷に帰れない人たち、夢を奪われる甲状腺がんの青年たちに、何が福島の復興かとの思いがあります。政府は原発事故の犠牲や涙から何故に教訓を学ぼうとしないのか。本当に情けない。が、私たちの運動は止めるわけにはいきません。今日、これだけの方が集まって下さっています。私たちの運動は、今は(松山を流れる)石手川の小さい流れであっても、着実に大海原を目指して流れています。いつの日か必ず原発をとめて、伊方原発をとめる会の解散総会ができることを夢見て頑張りましょう」と、参加者に訴えました。
記念講演会「福島・甲状腺がんを発症した若者たちの訴えと原発裁判の現在地」井戸謙一弁護士
井戸弁護士を紹介する薦田弁護団長 いろんな知恵を頂いて、高松高裁できっと勝つ!
薦田伸夫伊方原発をとめる弁護団長は、ワールドカップの対チュニジア戦が進行中のなか、大勢の方がここに参加されているとユーモアを交えて謝意を述べ、今日の記念講演の講師である井戸謙一弁護士について以下のように紹介しました。
49年前の司法修習生時代の同期だった、脱原発弁護団全国連絡会で再会
・井戸弁護士とは、450人いた司法修習生時代の同期ながら、その当時は互いの面識はなかった。 311後に河合弘之弁護士らが結成の脱原発弁護団全国連絡会で初めて井戸弁護士と出会った。
・金沢地裁で、住基ネット訴訟、志賀原発の運転差止めと、立て続けにいい判決が出た。知人の岩淵弁護士が金沢にいて、その奮闘でよい判決が出たと思っていたら、裁判長もよかった。それが実は井戸謙一弁護士だったと知った。
・井戸弁護士は子ども甲状腺がんばかりでなく、各地の原発裁判で中心的存在として活躍されている。また、湖東記念病院事件(看護助手の女性の冤罪事件)の再審で無罪を勝ち取ってもいる。
・私たちは一般民事訴訟なら必ず勝てる裁判をしている。高松高裁では何が何でも勝たないといけない。今日は、井戸弁護士から色々な知恵を頂いて、間違いなく勝てるように努力していきたいと思っている。
井戸弁護士による自己紹介

井戸弁護士は、薦田弁護士の紹介に応えて、「司法修習生時代、薦田先生は修習生全体のリーダー格で大変目立っておられまして、私はその頃から存じ上げていました。裁判官時代にいろんな事件を担当して、いい勉強をさせてもらいました。その中に、志賀2号機訴訟(2006年)がありました。自分のいいところは恐らく頑固なことで、こうだと思ったら人が何と言おうが説を曲げない。原発は止めるべきだと思ったら周囲の雑音などは気にすることなく、運転差止めの判断をしました。それが、弁護士になってから原発訴訟に関わるキッカケとなりました」と話されました。
そしていよいよ講演が始まりました
終始、柔和で、落ち着いた雰囲気を醸し出されている井戸弁護士は、誰にも分かりやす
い言葉を紡いでお話くださいました。
講演の前半では今、悪い流れにある原発裁判について、後半では、被爆による健康被害についてお話されましたが、その中で、小児甲状腺がん裁判の原告の方の意見陳述を聞かせてくださいました。会場では、原告の若い女性の辛く孤独な治療について、また心の葛藤の吐露に涙をこらえている参加者が見受けられました。檀上の井戸弁護士のお顔にもこみ上げるものがおありのご様子でした。

以下が、井戸弁護士のご講演のPDF資料です(一部、井戸弁護士からのご指示で省略)
また、小倉正さんによる講演会ツイキャスを近日中にご紹介予定です。
なお、井戸弁護士が持参された書籍「司法が原発を止める」10冊と、311甲状腺がん子ども支援ネットワーク発行の「原告意見陳述集」25冊は会場で完売いたしました。


また、会場後ろには、今年も杉山洋さんによる絵画や冊子が展示されました。


参加者からの感想など:
1)SOさん
甲状腺がんと原発の因果関係を認めようとせず、10年以上経過した今なお精神的・肉体的に苦しんでいる原告の話を聞き、胸が締め付けられる思いがした。
声を上げたくても上げることができない苦しみは私には想像出来かねることだと感じた。
2)YMさん
講演で原発裁判ではこの1年半の判決・決定は全て棄却とのお話しを聞きました。
私はこの数年今治の加計学園の裁判(3件)を傍聴しましたが全て敗訴でした。とても納得いく内容ではありませんでした。中学の時に三権分立を習いました。今の日本、本当に公平・公正に裁判は行われているのでしょうか? 講演に「権力者が核を持ちたい、使いたいと考えている以上、これを許さないには草の根の人々の力しかない」とありました。これを念頭にこれからも動いて行きます。
3)ETさん
内容で勝っているのに敗訴の続く原発訴訟。
行政に迎合する司法と科学者とメディアによって生み出された闇。
その闇に吞み込まれて、姿が見えない被ばく被害者。これらの全体像が、井戸弁護士の的確に要点をつかんだ解説によって、鮮明な俯瞰図として理解できた。甲状腺がんに苦しむ若者の声に涙された井戸さんのお人柄に、深く打たれた。
4)MMさん
火山列島日本に国策で作った原子力発電所の事故、15年経っても故郷に帰れない住民や甲状腺癌で苦しみ、裁判で闘っている若者がいるのに事故が原因だと認めず、政府は原子力依存度を増やす政策に方針転換。こんな理不尽なことがあって良いのか。 折しも日本列島は揺れっぱなし。井戸謙一さん曰く「政府のバッシングに耐えうる腹の座った裁判官」が出てこないことに腹が立ちます。
5)TEさん
チェルノブイリ事故で世界中の科学者が合意した唯一の症状が小児甲状腺がんの増加と知りながら、フクシマでは被ばくとの因果関係を否定する山下俊一氏をはじめとする医者や科学者たち。彼らは、良心と引き換えに何を手に入れたのだろうか。過酷な人生を背負わされた若者たちを、支え続けなければ
と強く思った。
6)OSさん
一度原発で事故が起きると、私たちの後世まで影響が続くことになり、当たり前の日常が一瞬にして無くなってしまう。伊方原発においても事故が起きれば瀬戸内海は死の海になりかねない。今こそ、脱原発に方針転換し、私たちが住む故郷をいつまでも大切に、そして皆が平和に暮らせる社会を目指したい。