
第16回定期総会は、6月21日(日)、コムズ(松山男女共同参画推進センター)5階大会議室にて、議長に渡邊典子(つねこ)さん、堀川孝行さんが選出されて、議事進行が行われました。

中川創太・伊方原発をとめる弁護団事務局長による渾身の「弁護団報告」

中川創太弁護士から、4月21日に行われた伊方原発運転差止訴訟控訴審・高松高裁の第1回口頭弁論の報告と、次回以降の裁判傍聴へのお願いがありました。以下のようにまとめてご紹介します。(文責・とめる会事務局)
1.傍聴席が埋まった 第1回の口頭弁論 次回も高松高裁を埋め尽くしてほしい
4月21日に高松高等裁判所で、第1回の口頭弁論が行われた。高松高裁は、日本でいちばん小さい高裁で、民事・刑事合わせて傍聴できる法廷は3つしかない。わざわざその中の一番大きな法廷、いつもは刑事裁判でしか使っていない法廷を、裁判所が準備してくれた。
法廷内に当事者席(弁護人、控訴人)32席を設けた上に、傍聴席に優先傍聴席(控訴人)12席分を用意し、それ以外に55席、一般の方が傍聴できる席も準備してくれた。裁判所は沢山の人が来ると思っている。
第1回の口頭弁論では、傍聴席をすべて埋めることができたが、第2回の7月28日、第3回の12月3日も是非とも人数を集めて高松に来ていただきたい。いずれも午後2時30分開廷となる。
裁判官が良心を持って、いろいろ攻撃に晒されることを分かりながらも住民勝訴の判決を書くべきかどうか迷っているとしたら、その方々を励まさなければならない。
どうせ住民なんか大して来ない、こんなに裁判所は席を設けているのに傍聴席もガラガラだという姿は、どうしても見せるわけにはいかない。法廷だけでなく、廊下や玄関まで支援者らで溢れているという姿を見せるということが大事だと思っている。

2. 控訴人本人の意見陳述、弁護団から控訴理由書の要旨説明と司法判断についてのプレゼンテーションを行った
須藤昭男さんが控訴人として、福島の被害に基づいて、甲状腺がんの被害についても言及する意見陳述をした。次に、薦田伸夫弁護団長が、昨年の9月に提出済みの控訴理由書の要旨について裁判官に説明をした。最後に控訴人代理人の中野宏典弁護士(オンライン参加)が、パワーポイントを用いて、住民側弁護団が考えている司法判断の在り方について、時間をかけて説明した。中野弁護士は、「社会通念論は、全く採用すべきではない。原子力規制委員会の判断がそもそも社会通念だというのは全くの事実誤認であって、原子力規制委員会にはそういう意思も能力もない」、「弁護団としては原発に求められる安全性は、原発の危険性が潜在的被害者である住民等から見て、それぞれ受忍できる程度にまで低減されていることである。本件では裁判所に、伊方3号炉についてそれがなされているかどうかを判断してほしい」と述べた。

3.第2回口頭弁論では被告側の反論に再反論をする 高松高裁に駆け付けてください!
7月28日の第2回口頭弁論では、控訴理由書に対する被告側・四国電力の反論に対して、こちらから再反論をする予定で現在、準備中だ。
伊方原発は中央構造線が目の前を走っている。1号炉、2号炉の安全審査に際しては、この中央構造線はなかった、或いはあったとしても活動性はない、ということを前提に全く無視されてきた。無視されてきた結果、伊方原発の基準地震動は、何回にも渡って変遷している。行政機関が行う安全審査がいかに杜撰なものか、基準地震動が繰り返し変遷されてきたことをみても明らかだと、私どもは主張している。
一審の証拠調べの結果にもとづいて、とくに中央構造線に関する基準地震動について、1)十分な審査が行われていない、2)安全性が確認できていない、3)高知大学の岡村眞先生が主張されている南傾斜になっていて逆断層になって上盤になっている、その結果、震源断層が原発直下にくる可能性があるが、その可能性を無視しているではないか、4)或いは中央構造線の位置が伊方原発から8㎞の位置ではなくて5㎞の可能性もあるではないか、そのことについて全く審査をしていない、5)これでは潜在的被害者である住民は、伊方原発の危険性を受忍できると納得できるような審査をしてもらっていないということだ、6)実質的な原発に求められる安全性を満たしていないから伊方原発の稼働を停止すべきだ、と凡そこういう内容の反論をしている。 従前、地震の争点は多岐にわたっていたが、争点を絞って主張反論を尽くしている。
その他、浜岡原発における様々な不正問題がある。これにもとづいて、原子力規制委員会が社会通念を体現してはいない、ということを明らかにする主張を準備している。
次回はどのように裁判が進むかまだ決まっていない。次回の進行協議では、引き続き時間を取って控訴人本人と弁護団からの意見陳述をさせてほしい、と希望するつもりだ。最終的には裁判所の判断次第となるが、弁護団としては、今の裁判体で判決をしてもらえるように、証人の申請をする準備もして、結審に向けて審議を進めて欲しいと求めるつもりだ。

弁護団からの報告に続いて
活動日誌・活動報告、決算報告、会計監査報告
続いて、泉京子事務局次長から、2025年度の活動報告、奥田恭子事務局員から決算報告、篠崎英代会計監査から会計監査報告が行われました。会場からの質疑はなく、それぞれ拍手で承認されました。



活動方針・予算・役員の提案
次に、2026年度の活動方針案(原発をめぐる情勢・具体的な方針)が、成案化を担当した和田宰事務局員から提示されました。高市政権が原発推進政策を進めるという一層厳しい情勢の中で、高松高裁での勝訴を目指すとともに、福島原発事故を風化させることなく、原発の危険性、放射線による被害の深刻さ、再生可能エネルギーの展望など広く世論に訴えていく必要があることが強調されました。



また予算案が奥田事務局員から、次に役員案が越智勇二事務局次長から提示されました。
役員については、2月の衆議院選挙出馬のため事務局次長を辞任した和田宰さんが、事務局次長に復帰すること、幹事に二神誠さん(東温市、原発さよなら四国ネットワーク)が新たに就任することが提案されました。


質疑・討論では、共同代表のお一人である村田武さんから、毎月1回開催されている拡大幹事会の見直しについて以下の提案がなされました。「現状は参加者が少なくメンバーが固定されていて、拡大事務局会のようである。高松高裁の控訴審をバックアップすることも大切だが、県民に対して原発をめぐる情勢をもっと積極的に知らせていく必要がある。活動方針のなかに『伝える力を磨き、脱原発世論の高揚に努めます』、『伊方原発の危険性を簡潔に示すパンフレット等を作成します』とあるが、これらを具体的に進めるために、幹事会が活発な議論の場となることを求める。幹事会は、多くの幹事に出席してもらうためには、月に1回ではなく、3ヵ月に1回の開催でいいのではないか。総会後、なるべく速やかに幹事会を開き、共同代表や監査にも出席いただき、今年度何をしましょうかと、財政問題も含めて議論をする必要がある。」
また、同じく共同代表の松浦秀人さんからも村田提案を強く後押しする発言があり、これらに対し、越智勇二事務局次長から、「現在、高松高裁で裁判が進んでいて、厳しい裁判状況にある。意見交換の場は必要で、幹事会は今まで通りの月1で運営をさせてもらいたい。ご提案の通り、幹事会は早急に開きます。裁判のために人をどう集めるかと合わせて『伝える力を磨き、脱原発世論の高揚に務める』という方針にどう取り組むのか議題にあげます」との回答がありました。
議案について、ほかに反対意見はなく、採決は拍手によって行われ、活動方針案・予算案・役員案のすべてが承認されました。
議長団の退任の挨拶で、議事の終了の報告がなされ、円滑な議事進行への協力に謝辞が述べられました。
最後に、越智事務局次長の「非常に右傾化した高市内閣のもと、原発に回帰しようとする動き、或は、非核三原則を変えようとしたり、色々な問題が起きています。私どもの運動は正義の運動です。知恵を絞って、力を合わせて頑張りましょう」との閉会の挨拶で定期総会は幕を閉じました。