火山噴火の動画活用で 四電を追及    

  松山地裁 第21回口頭弁論

寒風の中を松山地裁に入る

 2月27日松山地裁において、伊方原発運転差止訴訟の第21回口頭弁論が開かれました。

 寒風が吹く中、大型風船を携えて香川からの裁判支援が入り、原発さよなら四国ネットワークの皆さんと街頭宣伝をしてくださいました。 

思わず息を呑む映像 火山問題プレゼンテーション

 法廷では原告が準備書面72~75(メニュー「運転差止訴訟」の「原告主張書面」に収納)を提出後に、中野宏典弁護士が「火山事象に対する安全の欠如」と題して30分間にわたりスライドを通してのプレゼンテーションを行いました。

 1991年の雲仙普賢岳の火砕流映像だけでも衝撃的でしたが、カルデラ噴火等の大火砕流のシミュレーション映像は更に息を呑む恐ろしいものでした。火砕流はもちろん降灰・火砕サージ(火砕流より遠方まで届く)による被害の有様を知り、伊方原発の危険性を改めて実感させられました。

「迷ったら安全をとれ」と教えられ 元JAL乗務員の大池さん

 伊方原発に隣接する西予市の原告、大池ひとみさんが意見陳述を行いました。大池さんは元JAL客室乗務員で、「安全は何より優先する絶対の原則、『迷ったら安全をとれ』と常に教えられた」と語り、「機械技術は事故防止のために二重三重のバックアップが設計されていても、単純で些細な人為的ミスで重大事故が起こることは、職業上の経験から確信をもって言える過酷な真実だ」と訴えました。

 原発事故は、飛行機事故と同様に些細な人為的ミスが重大事故に発展する可能性があるばかりか、南海トラフや中央構造線の巨大地震が重なれば、フクシマどころの被害では収まらない。人命はおろか、もしかしたら日本という国がなくなってしまう程の被害が、子々孫々に続くのだと訴え、裁判官に「職業上の良心に基づく判決を心よりお願い致します」と語りかけて陳述を終えました。

大池ひとみさん意見陳述PDF 200227大池ひとみ意見陳述書

来年1月まで、3回の期日の指定

 裁判閉廷後に、松山市民会館小ホールで記者会見と報告集会が行われ、報道関係者と県内外の支援者ら50名程が参加しました。広島の橋本貴司弁護士、定者吉人弁護士のお二人も同席しました。

中川弁護団事務局長が来年1月までの3回分の期日を報告

 中川創太弁護団事務局長より、次回6月2日、次々回10月6日、さらに来年1月26日の3回分の期日が指定されたとの報告があり、中川弁護士は「この裁判体で決定を」との原告側の意向に沿った進行だと受け止めていると述べました。

 報道各社からの質疑の後、大池さんは陳述を終えた感想を語り、薦田伸夫弁護団団長が今後の裁判の見通しを述べました。

報告集会でも火山のプレゼン

 法廷に入れなかった原告、支援者らのために報告集会でも中野弁護士が火山プレゼンテーションを行いました。

熱弁をふるう中野弁護士

 その後、香川、高知、愛媛の参加者らから熱心な質問があり、中野弁護士がそれぞれに丁寧に答えました。

 最後に、須藤昭男原告共同代表が力強く閉会の挨拶を述べて閉会となりました。