伊方訴訟の勝利に向けて  フォーラムで熱く討論

参加者で埋め尽くされた会場

 8月31日、松山市民会館小ホールで開催されたフォーラムは、小雨の降る悪天候にもかかわらず94名もの参加があり、急きょ椅子を追加したほどの盛況となりました。

 開会挨拶で、原告の安藤哲次さんは、このフォーラムで裁判全体の流れについて共通理解を確かにしようと述べました。また、2枚の横断幕を作成して香川から駆けつけてくれた支援者に感謝の言葉を述べました。

 経過報告をした松浦秀人事務局次長は、2011年12月の本訴の提訴以来、四国の全95市町村から原告をつくったこと、また、2016年から2018年にわたる仮処分の特徴などを報告。高裁は、原発事故が不可逆・甚大で、広範囲に及び、一般の事故と質的に異なるとして、原発の特殊な危険性を認めたものの、結論は地裁と同じ不当決定であったと述べました。7月4日に約3年ぶりに本訴口頭弁論が行われたこと、伊方原発をめぐる各地の裁判についても概要を報告しました。

  伊方原発をとめる弁護団から、薦田伸夫弁護団長が報告を行いました。福島原発事故の前後で、設置許可をめぐる行政訴訟から電力会社を訴える民事訴訟へと変化したことが述べられました。そして、今後の主張立証について、地震・火山・非公益性・最大の自然現象を考慮する、などの構成で検討していることが語られました。

 質疑討論では、15人が発言しました。津波前の地震によって福島第一原発は既に破壊が起きていた、との最近の報道に関する質問や、地震発生の確率の問題などが述べられました。大分、香川、高知、徳島からの参加者も発言し、乾式貯蔵施設や特定重大事故等対処施設の扱いについても質問がなされました。避難の問題や非公益性についても多面的な意見が出されましたが、それら一つひとつに薦田弁護士が丁寧に応える中で議論が進行しました。また、住民からの支援をどのように広げていけばよいのかとの問いかけをきっかけに、原発の危険性を積極的に知らせる活動についても話し合われ、予定時刻を少し越えるほどの熱心な質疑討論となりました。

  閉会挨拶に立った原告共同代表の須藤昭男さんは、予想を超えた多数の参加にお礼の言葉を述べ、例え小さな蟻であっても大きな象を倒せると固い決意を述べ、伊方原発がいかに危険なものであるか、今後も人々に伝えていこうと力強く呼びかけました。