
「速報」でお知らせしましたが、第15回定期総会・記念講演会は5月25日(日)、松山市男女共同参画推進センター(コムズ)の5階大会議室で100人の参加で開催されました。

開会の挨拶で須藤昭男事務局長は、1)この14年間、弁護団を中心に本当に素晴らしい法廷闘争が展開された。が、3月18日の松山地裁の判決は極めて情けない判決で、本当にがっかりして落ち込んでしまった、2)しかし、この4月に亡くなった斉間淳子さんの長年にわたる不撓不屈の精神によって紡ぎ出されてきた数々の言葉・行動や、原爆被爆者運動の先頭に立ちながらノーベル平和賞受賞を見ることなく亡くなった坪井直さんの「Never Give Up」との言葉を思い起こしている、3)また、福島の甲状腺がんで闘う青年たちを思うと、立ち止まる訳にはいかない。闘い続けなければならない。4)鮭が流れに逆らいながらも遡上して卵を産み落とすように、我らの後に続くものが必ずあると信じて「原発の運転停止、廃炉」を目指して叫び続けよう、と熱い言葉で参加者を鼓舞しました。
司会者の講師紹介に続いて、記念講演となり、その後に定期総会が行われました。以下、続報(1)として記念講演会についての報告です。
なお、今回の講演会については後日、YouTube「あおタイムス」で紹介される予定です。その時にはHPでお知らせいたします。
記念講演会「なぜ日本は原発を止(や)められないのか?」青木美希さん(ジャーナリスト・作家)



青木美希さんは、配布されたレジュメに沿って、動画を交えながらテンポよく、話を展開されました。
以下に、当日配布されたレジュメを転載いたします。






以上が、講演のレジュメです。
なお、レジュメにあるように青木さんは講演中に「あおタイムス」の一部を紹介されました。①廃炉作業中の福島第一原発を取材されたもの、②帰還困難区域の双葉町で畜産をされていた鵜沼久江さんを取材した動画、③元東海村村長村上達也さんのインタビュー動画などです。是非、ご視聴ください。
総会前の講演会だったため、講演時間1時間、質疑応答15分ときわめてタイトな日程でしたが、充実した講演会になりました。
青木さんの講演を通して、政官業学とメディアの「原子力ムラ」を解体しなければ、日本は原発を止められないと改めて認識しました。福島事故後、崩壊したはずの「原発安全神話」が復活し、原発最大限活用が国策となった今、これを打破するためには政権交代しかないと感じさせる講演でした。


参加者からの意見・感想など
KOさん 「原子力村が、政・官・業・学・メディアの5角形でできている現実をとても分かり易くお話しくださいました。そして、会場からの、「何故日本では原発をやめられないのか?」との質問に、青木さんは間髪入れず、「お金です!」と言われました。「一人一人が自分に対しての尊厳を持ち、地方自治、住民自治の為に異を唱え議論しよう!」と呼びかけられたことは、メディアから迫害を受けながら体を張っておられる青木さんならではで、重く、胸に響いています。」
SYさん 「全国紙で『書く』ことから遠ざけられても、知らせるべき現場の実相を埋もれさせず、そこにいる当事者と直に向き合い、対峙すべきは対峙し、私たち市民の『知る権利』の保障を担うことに、これだけの熱意と行動力をもって応えてくれる記者がいるという。その存在感に希望を持ったのと同時に、福島の事故当時〜現在のことにいまさら衝撃を受けてしまった。明日から、いや、今から私には何ができるだろうか。
TTさん 「原子力ムラをどう壊すか、考えさせられました。私にできることは、諦めずに、声を上げ続けることです。年4回発行する議会報告では、毎回脱原発の記事を入れています。6月議会では、伊方原発の広域避難について取り上げます。」
MKさん 「青木美希さんの講演を聞くために、松山市に来ています。こんなに原発のことついて熱く語ってくれるジャーナリストはいませんよ。」
OOさん 「講演を聞いて、一人ひとりの意識が大切であることを再認識しました。徳島から参加させてもらって、とてもよかったと思っています。」
NYさん 「高線量炉心部に入り、撮影された場面に背筋が寒くなった。重要な機体を支える大きなボルトの赤く錆びついた映像が大きく目に入った。このまま何十年も運転を続けるの?講演最後近くに、元東海村村長の「”和”はごまかし。和を重んじる風潮に同調するのは問題。個々人が自分で考え、自分で判断することこそ大切。地方自治が重要。」等とのインタビュー場面が印象深い。政府の後押しを受けて、電力会社も規制委員会も、結局”今だけ、金だけ、自分だけ”の人たちなのだと知って情けないやら、呆れてしまった。原発を止めたドイツでは、反対の人たちの地道な長い闘いがあったという。この会で3月31日に高松高裁へ差し止めの控訴がされたのだ。原告に加わった一人として、これから何をなすべきかと考え、行動しなければという思いを新たにした。」