芦田譲さん(京都大学名誉教授)の講演会が、2月22日(土)午後に子規記念博物館で行われました。午前中は大雨という足元の悪い中、地元愛媛のほか大分・山口・広島・兵庫・徳島・香川・高知の各県を含め80名の方々が足を運んで下さいました。
弁護団から広島高裁決定の解説
講演会に先だって、中川創太弁護団事務局長から報告があり、1月17日の広島高裁(山口県岩国の仮処分抗告審)決定について、「原発に対し極めて高度な安全性を求めることや火山問題で原告側主張を全面的に認めるには至らなかったが、活断層・地震の問題で重要な決定があった。」「通説とは異なる少数説があり、それが安全性への対応においてより保守的で(安全の側に寄っている)あれば、少数説であっても安全重視の側に立つ必要がある、と説いたことが一番重要だ」といった趣旨の話がありました。そして松山地裁の運転差止訴訟では、四電が三次元探査をしていないことを今後も突いていくとしました。
芦田譲さん「四電は三次元探査をせよ」と熱弁
次に芦田譲さんの講演会となりました。芦田さんは「妻に、くれぐれも分かりやすい話をしてくるように」ときつく言われてきたと冗談を言われ、「四電は最近の物理探査技術を全く認識していない。既に内海で三次元地震探査を行う技術は確立している。『技術があるのだから探査をしなさい』ということです」と話を切り出されました。
参加者には分厚い資料「原発立地における三次元地震探査の必要性」が手渡されました。芦田さんは専門外の聴衆が多いことを意識して、ユーモアを交えながら、スクリーン映像を駆使して三次元探査がどのようなものなのか、噛み砕いてお話くださいました。具体的な講演内容については、別途HPに更新予定です。
専門家間の議論も
講演では15分の休憩をはさんで、前・後半それぞれに質疑応答の場が設けられました。芦田さんと、薦田伸夫弁護団長、小松正幸さん(広島高裁で意見書提出、構造地質学者・元愛媛大学学長)の間では専門的な質疑応答が交わされました。また、一般参加者からの質問に芦田さんが丁寧に答えて下さいました。
講演会の最後に須藤昭男原告団代表が「三次元探査について、専門的内容については分からないけれど、三次元探査が重要で不可欠なことはよく分かった。」とユーモアたっぷりの感想が述べられ、笑いと拍手が起こる中で講演会が終了しました。