保安規定違反等に対する「知事回答」と私たちの「見解」

伊方原発をとめる会は、回答期限を11月30日とした公開質問状を、中村時広・愛媛県知事宛に11月22日付で提出していました。211122知事宛公開質問状

知事側から期限「猶予」の申し出があり、このほどようやく12月8日付けにて「回答」なる文書が郵送されてきました。   211208公開質問状への知事回答

知事回答に対する、とめる会としての見解を以下に転載いたします。

211213知事回答へのとめる会見解

 回答内容は、議会よりも知事判断の優越、四電擁護に満ちた残念なものでした。

  中でも驚きに耐えないのは、9月議会で「県議会全体での議論は行われた」として、知事が「最終的な判断を行った」とした点です。9月議会の段階では、伊方原発環境安全管理委員会と同部会での保安規定違反の「審議」は一度も行われていません。全議員がこの審議などを踏まえて議論する必要はないという態度です。議会よりも知事判断を優越する「議会軽視」が顕著で、独善的だと言わねばなりません。

  こうした知事の姿勢は、再稼働容認への「出来レース」と言われるゆえんであり、地震や原発事故の不安にさいなまれる住民の思いとはかけ離れたものであると言わざるを得ません。

 以下、個別に問題点を指摘します。

1.について

(1)回答は、「9月議会で質疑が行われ」、請願も「不採択」であり、「県議会全体での議論は行われた」としています。しかし、県の環境安全管理委員会で「保安規定違反」が初めて「審議事項」とされたのは10月12日です。これらをふまえて「県議会全体での議論」が行われていたはずがありません。

(2)回答は、11月16日の「防災減災・エネルギー対策特別委員会」の議論を踏まえて、知事が「最終的な判断」をしたとのこと。ところが、この会議では、社員の懲戒処分を公開しない判断を四電が行ったと山田原子力本部長が述べたため、「えひめ方式」が踏みにじられた「新たな事実」がでていました。「最終的な判断」など出来る段階ではありませんでした。知事の、前のめりの判断ミスと言わざるを得ません。

2.について

 回答は、「しっかりとしたチェックを積み重ねて判断」したので「急いで判断をしたということはありません」としています。しかし、「12月議会開催の前に了承判断を行ったのはなぜか」との問いに全く答えていません。

3.について

 回答は、「懲戒処分時に、保安規定に抵触する可能性が把握できなかったことは誠に遺憾」だとしながら、四電の説明に「不合理な点」はないとしています。何年も経過し、内部告発でやっと分かったことについても「えひめ方式」は「適切」に行われたとしています。「えひめ方式」が四電に踏みにじられた事実も鮮明になっているのであり、本来なら四電の姿勢を厳しく追及すべき知事が、あたかも四電を擁護するために、驚くほどの「お人好し」を演じているかのようです。四国電力に対し、毅然と対処すべきです。