四電に申入れ 「臨時情報(巨大地震警戒)で運転継続」「MOX燃料装填」の撤回を求める

 12月4日付の愛媛新聞の1面に「南海トラフ地震」「臨時情報後も伊方運転」「四電方針・安全性 影響なし」の大見出し記事、3面にも「運転継続 議論必要」との記事が掲載されました。 

191204愛媛新聞((1面)四電は巨大地震警戒に原発止めぬ

191204愛媛新聞(3面)臨時情報後も伊方運転継続・議論必要

「伊方原発をとめる会」では、翌12月5日に松山市にある四国電力原子力本部を訪れ、伊方3号機をとめて廃炉にすることが大前提、とした上で以下の3点を申し入れました。191205四国電力への申し入れ
(1)「臨時情報(巨大地震警戒)で原発運転継続の方針を撤回すること」
()「伊方3号機へのMOX燃料の装填を行わないこと」
(3)「伊方を危険な使用済み核燃料の長期保管場所にしないこと」

 四電側は、原子力本部エネルギー広報グループリーダーの大野法行氏、愛媛支店総務部広報課長の佐柳和親氏が対応し、とめる会の会員9名が、報道関係者が見守る中、申入れを行いました。

原子力本部の大野氏と総務部佐柳広報課長

 以下は、当日の申入れ時の四電側とのやり取りです。

臨時情報が出ても原発の運転継続の方針を出したことについて

四電側説明:

 誤解もある。新たに方針を決めたということではない。南海トラフ地震(の震源域)は原発から離れているので影響は小さい。もちろんいろいろな状況があるから、県や国と連絡をとって対応していく。臨時情報が出たからと原発をとめたら、備えが必要なときに、電気の安定供給という責任が果たせない。臨時情報が出たら、継続するか、止めるかの両方の検討をする。

それに対して参加会員からは:

・臨時情報というのは、大地震が起きる可能性が高まったと地震学者たちが判断して出すものだ。無駄になる可能性もあるが、みんなで避難しましょう、という趣旨のもの。住民たちが避難しているなかで、四電は原発を止めないで動かすのか。

・原発だけで電力供給をしているわけではないのに、原発を止めたら電力の安定供給ができないのか。5年近く原発が止まったとき電気は足りていた。

・南海トラフ地震の震源域から遠いというが、南海トラフ地震に中央構造線活断層帯が連動することは否定できない。

・震度7、1500ガルの揺れに基準地震動650ガルの伊方原発がもつのか。

・「運転継続が原則」というのが問題だ。「止める方針の検討に入る」のが原則であるべきだ。

・原発のプルトニウムの量は、原子爆弾の比ではなく大量にある。危険なものを扱っている危機意識が足りない。

・企業利益と国民の生命・安全のいずれが重要か。

・想定して対策を立てているというが、想定外が来ない保証はない。

また、「臨時情報が出たら、継続するか、止めるかの両方の検討をする。」との四電側の説明には会員から強い疑義が出されました。

・臨時情報の検討とはどういう意味か。臨時情報は日本の精鋭の地震学者たちが困難な地震予想に取り組んで出すもの。それをだれに依頼してどのような点を検討するのか。

・貴社には危機意識が感じられない。社内の気風として、「こんな怖いものを扱っているという思い」が感じられない。

MOX燃料について使用後の処分方法さえ決まっていないことについて

・MOX燃料は使用済みMOXになると一段とあぶないものになる。危険で近づけない。国はウランの処理ですら手を焼いている現状だ。

・今度MOX燃料16体を出し、5体を入れるという。新たなMOX燃料の装填はとんでもない。

・使用済みMOX燃料がずっと伊方に置かれ続ける危険性をみんな心配している。四電は住民に処理処分の方針を示すべきだ。

以上、およそ40~50分ほどの話合いの結果、

「臨時情報が出ても運転継続するという方針を撤回するか、否か」についての四電側の回答を求めることになりました。一週間後くらいまでに、大野氏が松浦事務局次長に「回答できる目途」について連絡を入れることになりました。