四国電力原子力本部に申し入れ

申し入れ書を手渡す須藤昭男共同代表

 1月29日、「相次ぐ重大トラブルを大事故の前兆ととらえ、伊方3号機の廃炉を求める申し入れ」を行いました。

 このところの伊方原発を巡るトラブルの多発を受けて、マスコミ各社の取材を受けながら、須藤昭男共同代表が申し入れ書を四電側に手渡しました。

 松浦秀人事務局次長らが「原発事故は県民の不安に直結している。原発に対する信頼が大きく揺らいでいる今、これを機に廃炉を検討してほしい」「是非とも自然エネルギーへと転換してほしい」と強く要望しました。

2020年1月29日

四国電力株式会社

取締役社長 長井啓介 様

伊方原発をとめる会      

事務局長 草薙順一    

相次ぐ重大トラブルを大事故の前兆ととらえ、

伊方3号機の廃炉を求める申し入れ

 伊方原発で全交流電源喪失が起こったのは1月25日午後3時44分。電源喪失は1、2号機で3秒程度、3号機で10秒程度とされるが、使用済み燃料プールの冷却機能の回復には50分程度要し、水温は1.1℃上昇した。深刻・重大なこのトラブルは日中に発生したが、四国電力と愛媛県による記者会見は深夜に行われ、住民が知ったのは翌朝の報道であった。

 伊方3号機では、1月12日に一部制御棒が切り離せていなかった問題が発生し、緊急停止で制御棒が降りきるのかどうかの不安を広げた。同20日には燃料棒の落下警報が出て、燃料棒がラックに乗り上げたことが分かった。そして25日の事態と、短時日のうちに3回連続のA区分異常(直ちに公表)が発生し、周辺住民や県民は非常に不安を感じている。四国電力の安全についての姿勢に疑問を持ち、原子力発電の事業者としての資格がないと思わざるを得ない。

 相次ぐ深刻・重大なトラブルを重大事故の前兆ととらえ、伊方原発の廃炉を決断すべきである。

 四国電力は、伊方原発における全ての工事を停止し、トラブルの原因究明を行って説明責任を果たす必要がある。特定重大事故等対処施設などの計画を撤回して、廃炉の過程でも重要な使用済み燃料プールの補強等に注力すべきである。

 1月17日には、広島高裁による運転差し止め命令が出た。四国電力は高裁の決定を受け入れ、異議申立をしないよう求める。原子力発電から撤退し、蓄電池変電所などを充実して自然エネルギーを飛躍させ、広域停電などのない、災害に備えた電力会社に転換すべきである。

 ついては、下記3点を申し入れる。

(1) 相次ぐ重大トラブルを大事故の前兆ととらえ、伊方3号機の廃炉を決断すること。
(2) 伊方原発の全ての工事をとめて、トラブルの原因究明を行い、説明責任を果たすこと。
(3) 特定重大事故等対処施設などの建設を中止し、使用済み燃料プールの補強等に注力し、 自然エネルギーを飛躍させ、災害に備えた電力会社に転換すること。

以上

マスコミに囲まれての申し入れ風景