広島高裁の伊方仮処分(山口)抗告審は来年1月決定見込み


申立人・弁護団の送り出し 風景
 9月11日、広島高裁で伊方原発の運転差止を求める仮処分抗告審の審尋が行われました。伊方原発についての仮処分申立は、広島・松山・大分・山口の地裁と高裁で争われ、まだ終結していないのは、福岡高裁の抗告審(大分地裁)と、広島高裁での抗告審(山口地裁岩国支部)です。「伊方原発をとめる会」から和田宰さんに参加してもらいました。

(以下、和田さんの報告です)

 審尋開始前の、広島高裁門前には、大きなバルーンの横断幕が並び、広島、山口、香川、大分、愛媛など各県からの支援者が参加して申立人・弁護団らを送り出しました。連続スピーチも行われ、「伊方原発をとめる会」からは、松山での裁判の報告を含めて連帯挨拶をおこないました。

 審尋(非公開)では、申立人側と電力側双方からのプレゼンテーションが各90分ずつ行われ、その後16時50分ころから報告集会が始まりました。

 弁護団長からは、当方の3名によるプレゼンテーションが順調に行えたと報告され、裁判官からの具体的な質問で四国電力が回答に窮する面もあったとの所感も述べられました。そして、10月15日までに双方追加の書面を提出することが決まり、裁判長の発言から決定は年明け1月との報告がありました。

 プレゼンテーションを行った早坂康隆さん(広島大学大学院准教授)は、中央構造線断層帯の両端が佐田岬半島に接するような位置にあり、半島北岸に並行する断層帯が活断層だと指摘しました。また、伊方原発のビジターズハウスに展示してある岩石自体に、「鏡肌」と呼ばれる断層運動でつくられた剥離しやすい面や、亀裂に雨の染みこんだ「マンガン焼け」があり、原発がダメージゾーン上にあることをうかがわせるとも指摘しました。

 参加者からの質疑と議論が行われ、最後に弁護団から、今後も気を引き締めて、勝利に向けて全力を挙げるとの決意が語られて閉幕しました。

 以下は 早坂さんのプレゼンテーションで使われた岩の写真 です