八幡浜・松山で乾式貯蔵の問題を学んだ!

9月1日八幡浜市のゆめみかんを会場に、9月2日は松山市のコムズ大会議室で、「乾式貯蔵問題講演会」が行われました。それぞれ約30名、約80名の参加がありました。長沢啓行さんの講演と質疑から明らかになった点を以下に記します。(写真上2枚は松山市コムズにて。下は八幡浜市文化会館にて)

◯乾式がより安全とは言えず、狙いは長期運転

乾式貯蔵に移行できる使用済み燃料は、自ら発する熱で溶融してしまわないまでに冷えた燃料なのであり、乾式貯蔵もプール貯蔵も使用済み燃料溶融による重大事故のリスクに差はありません。乾式貯蔵の狙いは安全性とは関わりなく、3号機を運転し続けるために、燃料交換時のプール空き容量をつくるためです。労働者被ばくの面からは、より安全どころかいっそう被ばくを増やす可能性もあるのです。

◯使用済み燃料溶融による重大事故とは

使用済み燃料による重大事故のリスクとは、福島第一原発4号機がその危機に直面したように、燃料プールの水が無くなり、使用済み燃料が溶融し放射能が大量に放出される事故リスクのこと。4号機は列島が分断されるほどの大事故になる寸前でした。水がなくても燃料溶融に至らないためには、使用済み燃料の発熱量がすでに2~3kW/t(1トンあたり2~3キロワット)以下の発熱量になっていなければなりません。そのために、現在設計されている乾式貯蔵キャスクでは、そこに入れる燃料に15年以上冷却などの条件が付けられています。十分に冷えた燃料は自らの熱で溶融する事にはならない点で、乾式、湿式(プール冷却)の差はないのです。

◯乾式は3号機プールの危険性を高止まりへ

乾式貯蔵施設を設置することは、伊方3号機の長期運転に道を開き、使用済み燃料プールの空いたところには次々と崩壊熱の高い新たな使用済み燃料を入れ続けることになり、燃料溶融事故のリスクを高止まりさせます。そのうえ、伊方原発3号機の使用済み燃料プールにはMOX燃料の使用済み燃料が入るのであり、使用済みMOX燃料が乾式貯蔵にみあう自然空冷可能なところまで冷却されるには50年以上90年ほども必要になります。3号機の使用済み燃料プールの強化や、かなりの年数を見通した保持計画も避けられない問題なのです。また、使用済みMOX燃料を再処理するための第二再処理工場が出来る見込みはなく、「永久貯蔵」化は避けられないでしょう。

◯乾式キャスクの設計は先を見ていない

現在の乾式キャスクの設計は、六ヶ所再処理工場へ搬出するまでの間、長くても50年以内で用済みになる「だろう」との見込みが前提です。ところがそれ以上に長く貯蔵することになれば、容器も中性子遮蔽材も劣化してゆき、近寄れないほどに放射能が強く外に出てくるようになって手が付けられなくなる可能性もあります。100年先を考えた、二重構造で外側の遮蔽容器を取り替えられる仕組みなど、設計を根本から見直す必要があるのです。

◯倫理にてらしても核廃棄物をこれ以上つくらないこと

極めて危険でありながら処分できない核廃棄物をこれ以上作らないことです。使用済み燃料を高レベル放射性廃棄物として、ガラス固化体とともに地下埋設しても、私たちの子孫の時代には地下水に放射性物質がしみ出し、深刻な放射能汚染を引き起こす危険性を避けることができません。倫理に照らしても許されない問題です。

乾式貯蔵は、原発を稼働させないことを決めた後に、拙速を避け、よくよく考慮して検討すべき問題です。

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