伊方町(佐田岬半島一円)にチラシ配布

130330ikatasendn01130330ikatasendn023月30日、伊方町・佐田岬半島一円に、チラシ配布をおこないました。朝10時八幡浜駅前には、八幡浜・大洲・宇和島・松山などから配布協力者60名が集まりました。宣伝カーも4台となりました。参加者は配布先を分担し、チラシをもって各地域にちらばりました。この日は晴天で、桜も満開でした。おおむね12時30分ころには用意した3500枚を配布し終えました。配布したチラシの大見出しは「直近にある巨大活断層の脅威 -フクシマの惨事を上回る危険性も- 」としました。また、チラシには、アンケートや意見欄、とめる会への参加や伊方原発運転差止裁判原告への参加の意向を問う「はがき用紙」も組み込みました。(写真左は八幡浜駅前、右は伊方町二見の亀が池温泉前にて)
以下、おもな記事内容です。

(1)停止できなければ膨大な熱量が
東京電力福島原発の事故は、震源地が170kmほど離れていました。制御棒が入り、「核分裂」は一応停止しました。しかし総熱量の7%程と言われる「崩壊熱」がとれなくなり、炉心が溶け、爆発まで引き起こしました。伊方原発の場合、沖合約6kmに中央構造線活断層帯(巨大な活断層)があるため、きわめて短い時間で強烈な揺れがきて制御棒の挿入に失敗する危険性が指摘されています。フクシマを上回る危険性があるのです。閉鎖性水域である瀬戸内海はもとより、宇和海・豊後水道も深刻な汚染にさらされます。
私たちは、愛媛県知事に以下の2点を求めて、21万7,088筆の署名を提出しています。引き続き、取り組みを続けます。
① 伊方原発を稼働させないでください。
② 核燃料等の厳重管理も含めた廃炉計画を、政府及び四国電力に作らせてください。

(2)地震の活動期に入っているのに
伊方原発で四電が想定している地震の最大加速度は570ガルです。しかし近年、国内では、その4倍を超える2,515ガル(2004/10/23新潟県中越地震)とか、7倍にあたる4,022ガル(2008/6/14岩手・宮城内陸地震)が観測されています。日本は地震の「静穏期」から「活動期」に入っています。長い時間の揺れや繰り返しがあると、単純な4倍、7倍よりも過酷かも知れません。重力の加速度より大きいので宙に浮いて落下もあり得ます。
一昨年の6月、四国電力の千葉社長は中村知事に対し、伊方原発の耐震裕度を「2倍」程度でおおむね1,000ガル以上にも耐えうる施設にすると述べました。そして、昨年6月、四国電力は外部機関の検証ないまま、「2倍以上を確認」したと知事に報告しました。
今年3月21日、伊方原発環境安全管理委員会の「原子力安全専門部会」では、委員から疑問の声などが相次ぎました。「2倍をクリアするためにいろんな前提を作っているのではないか」などです。「発生する力」が小さくなる計算をして、「2倍化」達成と言っているのが根本の問題です。
そもそも、「2倍」ではお話にならないのに、それさえもまともな方法では達成できないのですから、ぜったいに事故は起きない起こさないと言い切れません。再稼働をやめさせ、廃炉に向けて舵をきらせましょう。

(3)再稼働しなくても仕事はあります
四国電力も国も、再稼働に向けて膨大な費用をかけようとしています。その負担は、私たちの電気料金と税金という形でかかってきます。「危険を延命」することに巨額の費用を使うのはやめさせましょう。また、国は電力料金の引き上げ抑制に予算をあてるべきです。再稼働しなくても、使用済み燃料のより安全な管理への対策、航空機落下にも耐える対策、廃炉に向けた作業等々、やるべき仕事は多々あります。求められているのは、原発から脱却する決断です。

(4)佐田岬での自然エネルギーも旺盛に追求する価値はある
日本経済新聞の電子版がこの3月、世界の海洋エネルギー開発を特集し、日本の技術開発が世界の先端を走っていたことを振り返りつつ、再び期待が高まっていることを報じました。伊方でも原発をやめて新たなエネルギーや産業に向けた検討を旺盛に行うべきです。 佐田岬の資料をあたると、1952(昭27)年に三机湾から宇和海まで水路を引いての潮流発電を構想し、西宇和郡の町村会などが陳情したとの歴史が紹介されています。別途2006年には、九州大学工学部の研究室が三机周辺で調査を行い、5mの直径の導管で瀬戸内海と宇和海を結んだ場合の、流速・発電量・コスト等を計算しました。研究者は「1kmに満たないような狭い陸地で仕切られた海をつないでの潮流発電というのは世界的に珍しい。同じことを、あの時代の地域の方々が考えていたことに驚く。自然エネルギーが見直されている今日、あらためて詳細調査することは意義深い」旨語っています。地の利を生かした多様な可能性を、とことん追求してみる価値はあるはずです。
原発に縛られず、世界に誇れる自然エネルギーに向けたチャレンジが求められていると思います。