事務局長挨拶

第74回拡大幹事会あいさつ

2017年12月9日 事務局長 草薙順一

伊方原発2号炉の廃炉を要請する理由は次の通りです。

1 四国電力株式会社は、伊方原発2号炉について、「本年度中に廃炉にするか再稼働にするかの決定をする」との報道がされています。原発が危険である事は、言うまでもないことです。県民が安心して暮らせるためには、「伊方原発2号炉を廃炉にする」以外に選択肢はありません。

2 伊方原発2号炉を再稼働させることの必要は全くありません。何らの合理性も公益性も見出すことはできません。電力の不足はありません。四国電力株式会社は、電力の供給には余力があります。

3 伊方原発2号炉の運転開始日は、1982年(昭和57)3月19日で既に35年以上が経過しています。改正原子炉等規制法では、運転期間は原則40年と定められています。運転期間が原則40年ということは、原発という過酷な運転によって、原子炉や配管などの劣化による危険を考えてのことです。従って、伊方原発2号炉の耐用年数は既に終わっており、しかも、2号炉の運転停止は、2012年1月13日で、もうすぐ6年になり、停止による器機の劣化は避けられません。伊方原発2号炉の再稼働は危険きわまりないことです。

4 伊方2号炉の運転再開の為には、多額の安全対策費が必要です。東海第2原発(茨城県東海村)の安全対策費用に1,800億円を要したと報道されています(2017年11月25日付愛媛新聞)。伊方原発2号炉の安全対策費用も、多額な金額が想像されます。40年廃炉であれば、稼働期間は4年程度しかなく、採算的にはとても合わないと考えられます。もし、40年以上の運転をも狙っているとすれば、許されるものではありません。投下資本回収の為に、命を差し出すことはできません。

5 伊方原発2号炉は、伊方原発の沖合に存在する中央構造線は、活断層ではないことが前提で許可されています。その後の調査によって、活断層であることが明らかとなりました。また、南海トラフの震源域の真上に存在していることも考慮されていません。地震は起きないとの前提は崩れています。明日伊方において、2016年発生の熊本地震のような、大きな地震が起こっても不思議ではありません。

6 伊方2号炉が再稼働すれば、髙レベル放射性廃棄物(いわゆる核のゴミ)が発生します。この「核のゴミ」は危険であるだけでなく、処理ができません。10万年もの間、保管が必要です。保管場所もなく、これ以上「核のゴミ」を増やし、将来に負担を押し付けることは、倫理上も許されません。(愚かなり 悪魔ほほえむ 再稼働)

以上

第73回拡大幹事会あいさつ

        2017年10月31日 事務局長 草 薙 順 一

良心を捨てた裁判官

すべて裁判官は、その良心に従い、独立してその職務を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される(憲法76条)と規定されています。「良心に従い」とは、「裁判官が有形無形の外部の圧迫ないし誘惑に屈しないで、自己内心の良識と道徳感に従うの意味である」と最高裁判所も述べています(最判昭和23年11月17日)。更に「独立して職務を行う」とは、個々の具体的事件を担当する裁判官が、司法部の外からはもとより、司法部の内部においてもいかなる命令・指示・圧力を加えられることなく、独立して裁判を行うことを意味しています。そして裁判官が独立して職権を行使できるようにするために身分保障もしています(憲法78条)。すなわち裁判官は、公の弾劾(国会の設置する弾劾裁判所)によらなければ罷免されないのです。

私の接した多くの裁判官は、法に従い、論理に従い、正義に従った方々でした。裁判所の判断は国家権力の行使であるだけに、そして国民の基本的人権に深くかかわるだけに、どんな批判にも耐えるぞという矜持(誇りないし自負)を持った方々でした。

ところが、2017年7月21日、松山地方裁判所の裁判官の、伊方原発3号炉の運転差止仮処分申立事件について、却下決定の理由は、「裁判官の良心を投げ捨てたものである」と言っても過言ではありません。紛争の争点は、伊方原発3号機再稼働の可否です。ところが、伊方原発3号機の再稼働の危険性について、真正面から審理しませんでした。驚くことに福島の事故はなかったかのごとく、「安全神話」そのままです。以下は裁判所の述べたこと(私の要約)と私の批判です。

  • 「原発に最新の科学的、専門技術的知見の予測を超えるような絶対的安全性を求めることは、社会通念になっていない」と述べています。すなわち、伊方原発3号機の再稼働は社会通念であると述べているのと同じです。原発の運転と車の運転を同視しています。
  • 「新規制基準の設定に不合理な点はない」と述べています。何が合理的かの基準を示していません。新規制基準が国際基準(5重の防護)にも満たない不合理なものであることは明らかです。
  • 「合理的に予測される規模の自然災害に備えれば足り、発生し得る最大限度の自然災害」に備える必要はない」と述べています。福島での原発事故は考慮の外です。事故が起こった場合の被害の甚大さは考えていません。無責任のきわみです。
  • 「伊方原発3号機の安全性が、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の調査審議と判断の過程に、看過し難い過誤・欠落はない」と述べています。基準地震動650ガルが過小評価であることは、中央構造線の存在から明白です。伊方3号機の危険性を無視しています。
  • 「避難計画は、訓練や修正がなされて現時点では問題はない」と述べています。佐田岬半島には約5,000人おり、事故の場合に避難できないことは明らかです。避難計画は机上の空論です。

以上要するに、論理と事実を無視し、命を軽視し、「裁判官としての良心」を投げ捨てた無責任決定です。この決定が高松高等裁判所で維持されるはずがないと確信しています。

以上

第72回拡大幹事会挨拶

2017年9月19日 事務局長 草薙順一

2017年7月21日、松山地方裁判所は、住民の人格権に基づく妨害予防請求である、伊方原発3号炉の運転差止仮処分申立事件について、却下決定としました。松山地方裁判所は伊方原発3号機の危険性について、真正面から審理しませんでした。驚くことに福島の事故を忘れたかのごとく、安全神話そのままに、次のように述べています。

原発に最新の科学的、専門技術的知見の予測を超えるような絶対的安全性を求めることは、社会通念になっていない。

新規制基準の設定に不合理な点はない。合理的に予測される規模の自然災害に備えれば足り、「発生し得る最大限度の自然災害」に備える必要はない。

自然災害や各種事象に対する伊方原発3号機の安全性が、新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の調査審議と判断の過程に、看過し難い過誤・欠落はない。

避難計画は、訓練や修正がなされて現時点では問題はないが、今後見出された課題に適切な修正がされなければ、計画が著しく合理性を欠く事態もあり得る。

以上要するに、新規制基準には不合理な点はなく、新規制基準に適合しておれば、具体的危険性はないというものであります。まさに裁判官としての良心を投げ捨てた無責任決定であり、司法放棄決定です。裁判所の存在意義はないに等しいものでした。この決定については、直ちに即時抗告をしています。今後の高松高等裁判所での審理に期待をつなぎたいと思います。

ところで政府は、原発に固執した政策を押し進めています。内閣府の原子力委員会は、過去には安全神話をふりまいた委員会ですが、2017年9月14日に、7年ぶりに2016年版の原子力白書の発刊を決定しました。その中身は、「福島事故の解明が必要である」と述べているものの、「福島原発事故で高まった原子力への不信や不安を、原発の利用実績の積み重ねを通じて国民の不信や不安を軽減していく」として、原発稼働に取り組むことが必要である」と述べています。更に、「核燃料サイクル」を維持し、プルサーマルが、プルトニウムを消費する現実的手段だとしています。また、建設中の大間原発の意義もコラムで述べています。

私たちは何としても原発推進の国策を変えなければなりません。その為にも、「原発のない暮らしを求めるえひめ県民署名の会」が、大きな成果をあげることに努力したいと思います。

2017年8月22日 於:松山市総合コミュニティセンター

第71回拡大幹事会あいさつ
事務局長 草薙順一
核ゴミ(高レベル放射性廃棄物)の最終処分

経済産業省は、高レベル放射性廃棄物の最終処分に関し、2017年7月28日に「科学的特性マップ」を公表しました。全国を4色に塗り分け、「処分場として好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」地域を濃い緑色と薄い緑色で示し、面積で全体の約65%になるとしています。中でも海岸から20キロ以内で「輸送面からも好ましい」地域を「濃い緑色」にしています。含まれる市区町村は約900で、全国の自治体の約半数です。東京都心や大阪の中心部や町長が処分場の受け入れを選択肢の一つと述べた佐賀県玄海町は「好ましくない特性がある」とされました。

問題点を述べます。

第1は断層の問題です。断層の長さに対して、100分の1の幅を処分地に適さないとしています。断層のない場所でも地震は起きます。また、断層の傾斜も考慮されていません。
第2は火山です。中心から15キロの範囲を不適地としています。火山活動は移動しますし、日本列島は火山活動によってできているといっても過言ではありません。
第3は、海岸近くが適地と述べています。断崖や砂浜などの地形も無視しています。
(なお、世耕弘成経済産業相は、福島県と青森県は候補地から除外すると述べました)

以上の問題点だけを考えても、日本には核ゴミの処分場の適地はありません。
経済産業省は、「マップ提示を契機に、全国各地できめ細かな対話活動を丁寧に積み重ねて参ります」と述べています。また、処分主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)も、マップが示されたらより適性が高い地域で重点的な対話活動を展開していくとしています。地層処分の安全性が確認されていないだけでなく、原発再稼働を推進し、処分困難な高レベル放射性廃棄物を生み出しながら、処分地の必要性を説かれても納得できるものではありません。

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2017年7月18日 於:松山市総合コミュニティーセンター 第8会議室

第70回拡大幹事会 あいさつ                    事務局長 草薙順一

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)は、原子力に関する研究と技術開発を行う国立研究開発法人である。1956年に原子力の平和利用を目的として設立された日本原子力研究所と、1967年に発足した核燃料サイクル開発機構を再編し、2005年に独立行政法人日本原子力研究開発機構として設立され、2015年4月に国立研究開発法人に改組した。本部は茨城県那珂郡東海村にある。保有施設は、2017年6月6日に5人が放射性物質プルトニウム239による被ばく事故を起こした大洗研究開発センターの他に、東海研究開発センター、敦賀市にある高速増殖炉研究センター(もんじゅ)、人形峠科学技術センター、北海道幌延深地層研究センター(堆積岩を対象に、地下に研究坑道を掘っている)、青森研究開発センター(むつの原子炉廃炉措置など)などがある。予算は約3,000億円。約4,000人が働いている。

もんじゅは、2016年12月21日に、国費1兆40億円を費やして、廃炉が正式に閣議決定された。廃炉費用に3、750億円が見込まれている。ところが政府は翌12月22日に使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル事業」は継続すると発表した。その方策として、フランスの高速実証炉「アストリッド」計画の参加を持ち出している。これは実現性が全くない。政府がサイクル維持にこだわるのは、サイクルの旗を降ろしたとたん、資源であった使用済み核燃料がゴミとなり、これまで資源として貯蔵してきた青森県が発生元に持ち帰りを要求しているためである。潜在的核抑止力の立場から再処理を維持したい見方もあるが、この考え方は論外である。最早高速炉開発ではないのである。先送りだけして、政治決断をしないのである。

ところで、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)が、2017年6月30日に、原発から出た使用済みの核燃料の再処理施設(東海村)の廃止作業に、70年で約1兆円かかるとの試算を発表した。この負担はすべて税金で、国民負担である。これには施設の維持管理費用などは含まれておらず、ガラスと混ぜた高放射性廃棄物の処分場所も決まっていない。とにかく、無駄な税金をかけているのが、原発の実情である。そこに着目し続けなければならない。

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2017年6月13日 於:コムズ

第69回拡大幹事会 あいさつ                    事務局長 草薙順一

本日(2017年6月13日)佐賀地裁は、玄海原発3・4号機について、住民の原発稼働停止を求める仮処分申請を却下しました。基準地震動の算定に合理性があるというものです。裁判所は安全性にまともに向き合っていないことが明らかです。新規制基準に適合しておれば、安全であるというものです。

福井地裁の樋口英明裁判官(高浜原発3・4号機の再稼働停止仮処分決定。その後取り消し決定される)や、大津地裁の山本善彦裁判官(高浜原発3・4号機の再稼働停止の仮処分。その後取り消し決定される)などが例外的裁判官になってしまう恐れを感じます。住民側は抗告するとのことです。福岡高裁では是非安全性を直視した裁判を切望するものです。

裁判所が忖度や統制のもとで、裁判官としての良心を失っているとしかいえません。伊方原発仮処分決定が、安全性に重きを置いて判断されることを願うものです。

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2017年5月9日 於・コムズ

第68回拡大幹事会 あいさつ

                         事務局長 草薙順一

「伊方原発をとめる会」は、2011年3月11日に発生した、福島第1原子力発電所の原発事故、すなわち「原発震災」が「運動の原点」です。

「原発震災」で明らかになったことは、放射能汚染の被害は、人間の手で防げない、制御できないことが明白になったことです。すなわち「原発と人類は共存できない」という事実こそが「運動の原点」です。

「原発震災」から6年が経過し、福島事故が忘れ去られようとしています。「災害が東北でよかった」とか、「自主避難者は自己責任だ。裁判でもなんでもせよ」などという今村前復興大臣の言葉には、福島での「原発震災」の被害者に対する想像力も、感受性もありません。しかし、この言葉は政府の本心です。すなわち今年避難地区が解除になった、飯館村(2017年3月31日)、浪江町(同日)、富岡町(同年4月Ⅰ日)

等の住民は、避難地区が解除になった瞬間から「自主避難者」となりました。そのような人に、帰還を促すために、一年後には「損害賠償はしない」。2017年3月末で「住宅支援打ち切り」が現在の政府の方針であるからです。6年間の避難で、多くの家は荒廃し、解体せざるを得ない状況になっています。放射線量も高く、飯館村などは、除染廃棄物を詰め込んだフレコンバックが村内に約235万個仮置き場に積み上げられています。住民の不安を訴える声を無視できません。

原発は、地球と人間に対する犯罪であるにもかかわらず、残念なことに昨年8月12日、伊方原発3号機が再稼働しました。「伊方原発をとめる会」にとっては、「運動の敗北」でした。更に、今年3月28日の高浜原発3・4号機の再稼働容認の大阪高裁の抗告審決定と、3月30日の、伊方原発3号機の再稼働容認の、広島地裁仮処分決定は、安全性を全く無視したものでありました。安全性を問わないのです。安全性を真正面から審理しないのです。今年中には出されると予想される、松山地裁の仮処分決定に私は期待をかけています。しかしながら、大阪高裁と広島地裁決定は、私たちに大衆闘争の奮起を促してくれました。私たちを目覚めさせた新しい「運動の原点」といえるものです。福島の「原発震災」以前の裁判と全く同じだからです。司法が全く変わっていないことに、深い失望を覚えました。

何としても原発を無くして、自然エネルギーにとって代わらなければなりません。その為には政治を動かさなければ、新しい社会の到来は不可能であります。

「原発震災」を起こしたことについては、政府や東電の責任はとてつもなく重いです。しかしながら、事故を起こした現実を許してきた私たちの責任でもあります。だから今に生きる者の責務として、更には、これから生まれてくる命の為にも、「負の遺産」を背負わせることは出来ないということが、私たちの原発に反対する「運動の原点」であります。

「原発のない暮らしを求めるえひめ県民署名」に「伊方原発をとめる会」は、全力で取り組みます。「原発を廃絶し、自然エネルギ―への転換」こそが、人々に幸せをもたらすとの確信こそが、署名行動を突き動かす原動力です。命をお金で売ることはできません。署名活動は、泥水の中に真水を入れるようなことかもしれません。しかし、ハスの花は泥水の中で美しく咲きます。署名活動の成功を願って、挨拶といたします。

以上

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