草薙順一さん開会の挨拶(5/27集会)

<開会の挨拶>

                  草薙順一(伊方原発をとめる会事務局長)

いよいよ「原発を廃炉にして、自然エネルギー」への署名活動を始める時が来ました。本日までの準備された安藤哲次事務局長はじめ、関係者皆様方のご苦労に心から敬意を表します。また「呼びかけ人」になっていただいた方々に心から感謝申し上げます。

愛媛県では今回が初めての全県下の署名活動です、この大規模な署名行動へと、私たちを突き動かすものは何でしょうか。それは何よりも、福島での惨状を胸に、「原発は、人類と共存できない」という確信です。「原発は廃炉、自然エネルギ―への転換こそが、私たちに安心と幸せをもたらす」という確信です。

この確信に基づいた、転換への行動原理は、「愛」であります。私はクリスチャンとして、神が「この世を愛し、良きものとしてお造りになった」と信じて疑いません。それなのに、原発は放射能によって、良きものであるはずの世を、取り返しのつかぬほど破壊すると憂慮します。人間による核の開発、原発の推進は、間違っていたのです。

私は今、高齢の方々に、又中年の方々に、訴えます。今、「自分の人生の最も大事なテーマは何か」をご自身に問い、力強く行動しようではありませんか。命を何よりも大切にする「個人の尊重」を、胆に銘じ行動しようではありませんか。将来の世代に「負の遺産」を残さない為に、努力しようではありませんか。そして今こそ、若い方々に訴えます。これからの長い将来を、共に安心して暮らす社会にする為に、想像力を働かし、考え続け、力いっぱい動こうではありませんか。

このように申し上げましても、現実は厳しく、原発の再稼働は国策です。原発の輸出まで計画され、輸出は経済界が強く支持しています。利権に群がる、いわゆる「原子力ムラ」は衰えていません。原発再稼働に同意した中村時広知事に翻意を促すには、大変な努力が必要ですし、今後、幾多の困難にも遭遇するでしょう。

しかし同時に、私たちには新たな道への希望があります。世界では今、31カ国が原発を稼働中です。しかし、原発を憲法で禁止しているオーストリアなどもあります。ドイツや台湾、ベトナムなど原発を止めることを決めた国もあります。また、自然エネルギーの開発に取り組んでいる人々が世界中に数多くいます。私たちの住むこの日本を、原発を止めた、本当に名誉ある国にするため、この愛媛の地から立ち上がろうではありませんか。

署名活動は人との接触が要です。多くの嫌な事にも出会うでしょう。しかしながら、必ず同調してくれる人が居て、大きな励ましとなるでしょう。必ず深い感動と喜びがある、と私は確信しています。

「愛・希望・感動」を胸に、署名活動を続けましょう。愚直に歩みましよう。

私自身は、自分の住んでいる校区を中心に、家々を訪問し続けます。いつも署名用紙を手に持って歩きます。署名をお願いするにあたっては、①「原発に反対している者です」と述べて自分の立場を明確に告げます。②無理な署名や強引な署名を求めません。③「論争はしない」ことを、心に刻んで活動します。今回の活動は、泥水に真水を入れる辛い活動、と覚悟しています。しかし、ハスの花は泥水の中で、美しく咲きます。

今こそ、大きなうねりを起こそうではありませんか。皆様のご協力とご奮闘を期待して、ご挨拶といたします。

以上