県内各地からのリレー・トーク(5/27集会)

            県内各地からのリレー・トーク(5/27集会) 

◆斉間淳子(八幡浜市)

今回の署名活動について、今のお話を聞いて、内容が何となくつかめました。皆さんに教えていただきながら、頑張っていきたいと思います。署名はやはり人数ですから、一人でも多い方がいい。八幡浜市でも一人でも多くの方が、「原発いらない」という声を上げてくださるように、運動していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

◆遠藤素子(伊方町・八幡浜市)

1月10日に八幡浜から伊方町に移住して、4月の伊方町議選に挑戦しました。多くの皆さまからご支援をいただいて、力一杯戦うことができました。佐田岬は本当に長い半島ですが、端から端まで4巡5巡したと思います。人が少ないのですけれど、人を見かけたらすぐに車から降りて対話をしました。

今感じておりますことは、出会った人の10人中9人までが、「原発はいらない」と、はっきりおっしゃいました。

いくつか印象に残っている声としては、大きな事故でなくても放射能が漏れたら風評被害が必ず起こって、この半島の農業も漁業もダメになってしまう。だからそのことをみんなに伝えてくれと、切々と訴えた漁業の方。

ある女性は、子どもたちが帰ってくる故郷がなくなる。それが心配だ。福島の実態を見たら原発など再稼働できるわけがない。誰か立ってくれないかと待っていたと、家から飛び出してきて握手をしました。

それから多くのお年寄りが両手を握って、原発いらない、どうか頑張ってくださいと訴えられた、その姿が忘れられません。

勝てなかったということが、そういった人たちに申し訳ないと思います。半島の皆さんが原発について不安を抱いていらっしゃるということがよくわかった選挙戦だと思います。負けましたけれども、出てよかったと今、思っています。

4年後に誰かを議会に送り出せるように、これだけ皆さんが反対しているのに、原発反対の議員が一人もいないという伊方町議会を変えるために、これからも頑張っていきたいと思います。そのきっかけに、この署名があればと思っています。

今は、8月に八幡浜の市会議員選挙がありますので、8月までは八幡浜にいますが、それが終われば、署名運動に全力で取り組みたいと思います。皆さん、頑張りましょう。

◆大崎義治(大洲市)

私は7年前に大阪から大洲に移住してきた者です。心臓に持病を持っていまして、大阪でのストレスのある暮らしがダメだということで、ゆっくり田舎ぐらしをしようと思って、こっちに来たのです。けれども、2011年の福島の事故で、えらいところへ来たものだなと実感するようなことになったのです。

2012年11月から大洲の「何とかせんで」という人たちと、伊方原発をとめる会の会員なんですけれど、毎月第3土曜日にJAのショッピングセンターの前で、伊方原発反対の街頭宣伝活動をやろうということで、ずっと続けてきました。

当初はなかなか反応がなかったんですが、続けていくと、手を振ってくれたり、車の中から会釈をしてくれたり、飛び入りでいっしょに横断幕を持って声を上げてくれたり、マイクを持ってしゃべってくれたり、そういう人たちがどんどん出てきました。

しかし、皆さんのお話にもありましたように、県民世論調査では7割近い人が再稼働には不安だと、反対の人も6割ぐらいになるというにもかかわらず、市長や知事、議会に、なかなかわれわれの意見が反映しない。

その状況を変えるためには、大きな世論を変える活動が必要だということは、われわれも感じていたところです。なかなか力が及ばずに、松山の方でいろんな準備をしていただいて、いよいよスタートということになりましたので、われわれも30キロ圏に住む人間として、また声をなかなか上げられない人たちの声を形あるものとして結集していく一つの中心が、大洲になんとか形が現れるように頑張っていきたいと思います。

◆渡部寛志(伊予市)

娘が横幕を広げています。「全基廃炉で争点ならず」

これは、昨年夏の参院選の福島の新聞の見出しです。震災の当事者となった福島県民には、意識の変化が起こっています。

原発事故が起きた2011年には、「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」を基本理念の第一に掲げた『福島県復興ビジョン』が県によって策定されています。そして、2040年頃を目途に、県内需要の100%相当以上の再生可能エネルギーを生み出すことを目標とした『再生可能エネルギー先駆けの地アクションプラン』による取り組みが推進されています。

私が所属する農業者グループでも屋根や農地への太陽光パネルの設置を積極的に進めています。福島県沖では巨大風車を浮かべて洋上風力発電の実証研究(なかなかうまくいっていないみたいですけれども)を進めています。また、津波被害の大きかった地域では、「地域のエネルギーを総合的に管理し、再生可能エネルギーの活用やエネルギーを地域内で効率利用する」としたスマートコミュニティーの構築事業も進んでいます。

ですが、すべてが順調に進んでいるわけではなくて、大きな『足かせ』もあります。

それは、国も東電も、福島県内原発の全基廃炉を示していないということです。

昨年12月21日に福島県議会で可決した国に対する意見書の一節を紹介します。

〈県民の総意として、県内全ての原子力発電所の廃炉の実現を強く求めてきたが、いまだに廃炉実現の見通しが立っていない。東日本大震災の発生後から繰り返される原子力発電所のトラブルは、当県の風評払拭を始め、住民の帰還など、今後更に加速する様々な取組に水を差し、早期復興の足かせとなっている〉

また、この意見書可決の際に福島県知事は、「非常に意義がある。多くの県民が全基廃炉を望んでいる。私が先頭に立って強く訴えていく」とコメントしています。

私たち多くの福島県民は、腹立たしさと、もどかしさを感じています。原発事故の当事者なのに、県民の総意だとも言っているのに、国も東電も県内の原発全基廃炉に応じてくれないからです。

ただ、それでも、福島では、原発ゼロを出発点とした地域社会再生への各種の取組みが進んでいます。福島県が掲げる「ふくしまからはじめよう」のスローガンのもと、福島県民の『思い』を原動力に進んでいます。

一方、この愛媛ではどうでしょう?

伊方原発をなくした場合の、未来ある、希望の持てるプランやビジョンを、愛媛県は描こうと努力したのかどうか疑問です。県民の意思をキチンと図るわけでもなく、ただただ「伊方原発ありき」の議論ばかりが進められてしまったように思います。

そして結果、伊方原発は再稼働してしまいました。

このままでは、福島で起こった原発事故は、対岸の火事、ひと事に終わってしまいます。

福島では、あの原発事故が原因で、多くの命が失われました。そして、大地が汚染されたことで生まれた様々な困難に、福島県民は今も、苦しみ、必死にもがいています。

伊方原発で大きな事故が起きれば、愛媛県も福島のように、県内原発の全基廃炉を求めるでしょう。原子力に依存しない社会づくりを目指すことに当然なると思います。

しかし、それではあまりに愚かです。

いつ起きるか、明日起きるかもしれない原発事故の脅威に、いつまでもビクビクして不安を抱き続けなくてはいけない暮らし、そんな暮らしをだれも求めているわけではありません。

今日から始まる「原発のない暮らしを求めるえひめ県民署名」を、福島で起こった出来事を教訓として、私たちの後の世代のために、新しい社会を残していくための出発点にしなくてはと思います。

私自身もいま伊予市に避難していますので、伊予市を中心に、原発に対して不安を抱いている多くの市民から署名を集めるために、できるかぎりの努力をしていこうと決めました。皆さんもともに頑張りましょう。

◆上甲勝彦(西予市野村町)

私の家は、原発からちょうど30キロ圏ギリギリのところにあります。近くにモニタリングポストが、設置されていますが、30・1キロのところです。もし伊方原発で事故が起きれば、まっ先に私たちの田舎は被害を受けるわけです。どうしてもこの署名運動を、30万署名をやり遂げるつもりで、私は決心をしております。

私は「野村9条の会」の会長ということで、やっておるんですが、また建交労という労働組合のなかで、西予の副会長をしています。いろんな横の繋がりができてきています。署名についても組合の連中みんなで協力し合っていきます。野村では永江孝子さんの後援会を作りました。そこでも皆さん原発反対の推進派でございますので、そこら辺も使って、一所懸命頑張りたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

◆青野悦子(松山市)

2011年の11月に、無知な私は、子どもを連れて東京ディズニーリゾートに行きました。当時、娘は4歳でした。今まで彼女は4歳になるまで中耳炎になったことがありませんでした。けれど、そのあとから1年間ずっと風邪をひく度に中耳炎になりました。私も次の年の人間ドッグで子宮頸がんの疑いがあると言われました。私は後悔しました。それは、放射能が原因ではないかもしれない。でも放射能かもしれない。わからないから怖いんです。

毎年、関東から保養に来ていた私の娘と同じ年の女の子を持つお母さんが、昨年から行き先を北海道に変えました。それはそうです。伊方原発が動いているんですから、わざわざ愛媛県に保養には来ません。伊方原発が動いている限り、あの親子には会えないんだなと思いました。とても寂しい思いがしました。

私は署名をするのが好きです。見かけたら署名を書くのが好きです。何かの役に立つかもしれない。そう思って書きます。果たしてそれが役に立っているのだろうかと疑問に思うこともあります。でも、しなければ賛成したのと同じことになるのだと思っています。だからこそ署名運動をしたいし、署名を書きたいと思います。そして大石さんの話を聞いたら、きちんと意味があるんだと思いました。

6月17日に、この場所(コムズ)で『「知事抹殺」の真実』というドキュメンタリー映画の上映会があります。原発反対を唱えた佐藤栄佐久・元福島県知事が、でっちあげの事件で逮捕され、知事の座を追われる話です。中村知事はこれを恐れているのかもしれない。この署名は中村さんへの勇気づけにもなるんじゃないかと思っておりますので、皆さん頑張っていきましょう。よろしくお願いします。

◆浅野修一(宇和島市)

宇和島市は、愛媛県内で唯一「脱原発をめざす首長会議」に入っています石橋寛久市長をかかえているのですが、かといって、原発反対に積極的に動いている市長ではございません。私は市会議員をしているのですけれど、議会の度に原発をなくそうということで、質問をしているのですけれど、なかなか思ったような答弁を引き出せなくて苦労をしている人間の一人であります。

宇和島では、「原発いらんぜ 宇和島市民の会」を作って活動をしています。名簿上は100名余りの会員がいます。いままでは署名運動を会として運動していこうということがなかったのですが、今回、愛媛県民署名がスタートするということで、新たな武器をもらったということで、しっかりと頑張っていきたいと思っています。

先週、市民の会の総会を行いました。呼びかけ人を宇和島で300名を目標に取り組んでいこうと。会員は100名余りで、呼びかけ人になってもらった方は会員にもなっていただいて、県民署名を進めていきたいと考えております。

南予では、八幡浜、大洲、宇和島と、7月から9月にかけて市議会選挙や首長選挙が行われます。「原発いらんぜ 宇和島市民の会」には私を含め3人の市会議員がいるのですが、ぜひとも市会議員選挙で原発問題が争点になるように、自民党や公明党さんは、そういった問題にまったく触れることがないんです。私たち3人が声を大きく上げて、原発の問題が大きく争点になるように、市民の中で議論が巻き起こるような選挙を確保しなくてはならないと思うと同時に、選挙と合わせて県民署名も連動させて、住民の中に署名を拡げていきたいと強く思っています。ぜひとも目標の人数を達成するように頑張っていきましょう。

三浦弘二(新居浜市)

新居浜地域の状況について、ご報告させていただきます。先日、5月23日に、新居浜協立病院で第1回目の県民署名の打ち合わせ会を実施しました。14名ほどの出席状況でしたが、各団体、個人に参加していただきました。

第2回目の打ち合わせ会を5月30日に実施することが決まりました。そこでは、『日本と再生』の上映会の相談と、署名活動の推進体制、組織作りについての相談をしたいと思っています。

23日の会議では、中村知事の原発に対する姿勢について議論をいたしました。また署名の目標の30万筆は、過去に経験がないということ、取り組みは従来の延長線上では達成はなかなか困難だろうという意見が出ました。リーフレットについては、私自身はコンパクトによくまとまっているなと思いましたが、30万を目標にしていますが、今日の大石さんのお話にも出てきたかと思うのですが、三重県では県民署名で知事さんが計画の白紙撤回を宣言したようですけれど、中村知事の白紙撤回の実現に繋がる目標なのかどうか。リーフレットの「知事宛署名にとりくむのは」のところに書いてあるのですが、もう少し明確に書いた方がいいのではないかという意見がありました。

署名の活動をしていて、いつも聞かれるのは、「署名をして何か世の中が変わるのですか」というような質問をいつも受けるのです。そこのところを書いていただけるようにお願いをしたいと思います。

今日の三重県の運動の大石さんの報告、中川弁護士からの裁判報告を教訓に、皆さんといっしょに頑張っていきましょう。